VIX指数(恐怖指数)とは
米シカゴ・オプション取引所(CBOE)がS&P500種株価指数を対象とするオプション取引のボラティリティ(変動率)を元に算出、公表している指数です。
英語ではinvestor fear gauge, Volatility Index(略称:VIX)と呼ばれます。
将来の相場に対する投資家心理を反映する指数とされており一般的にVIXの数値が高いほど投資家の先行き不透明感も強いとされています。
通常は10から20の間で推移することが多く相場の先行きに大きな不安が生じた時に、この数値が大きく上昇するという傾向があります。
VIXが20の場合においては株価が今後1年間の間に7割程度の確率で現在価格の上下20%の範囲で変動すると投資家が予想している、といった判断材料となります。
VIX指数が30を超えると投資家の不安が高まっていると判断できます。
過去にVIX指数が上昇した例
アメリカ同時多発テロ事件(9.11事件) | 2001年09月
2001年9月11日、イスラム過激派組織「アルカイダ」によって乗っ取られた飛行機が、ワールドトレードセンターと国防総省に墜落しました。
この前代未聞のテロ攻撃は投資家心理を極度に悪化させ、VIX指数は49.35にまで上昇しました。
リーマンショック | 2008年10月
リーマンブラザーズの破産を発端としたリーマンショックは、世界中に大きな影響を与えました。
特にアメリカ国内の株価の下落はとどまるところを知らず、大幅に下落してしまった株価は回復するまでかなりの時間がかかることとなりました。
またドルに対しての信頼度が急速に失われて世界中の国々や投資家がドル資産を他のものへと再投資する動きも見せていました。 VIX指数は過去最大の89.53にまで上昇しました。
ギリシャ通貨危機 | 2011年10月
2011年10月のギリシャ国債のデフォルトである「ギリシャ通貨危機」ではVIX指数は46.88にまで上昇しました。
中国減速懸念 | 2015年08月
2010年にアメリカに次ぐ世界第2位の経済各国となった中国は2012年以降に成長率が下がり始め2015年には経済成長の鈍化の懸念やシャドーバンキング(通常の銀行融資を受けられない相手に、高金利で貸し付けたり、投資したりする手法)も影響して中国の金融市場が大きく混乱しました。
この事件は中国だけでなく日本を含む世界の株式市場に大きな影響を及ぼしこの時のVIX指数は53.29まで上昇しました。
アメリカ景気悪化懸念 | 2018年02月
2018年から2019年にかけて、アメリカの株式市場が株安が急激に進み、アメリカと中国の貿易戦争や世界経済の停滞などから、米経済の景気後退の懸念が高まりました。
この時にS&P500種株価指数を構成する主要11業種全てが下落に転じ、特にエネルギーと金融が落ち込みました。VIX指数は50.3にまで上昇しました。
コロナショック | 2020年03月
新型コロナウイルスによる相場下落時には、VIX指数は85.47まで上昇しました。
その後VIX指数は徐々に戻っていき、2020年11月には25前後で推移するようになりました。
ロシアのウクライナ進行 | 2022年02月
ロシアがウクライナに軍事侵攻してからVIX指数は37.79にまで上昇しました。
その後はウクライナ軍の奮闘もあり事態が膠着し投資家の不安が軽減されたため安定に向かいました。
日本の恐怖指数 日経平均VI
日経平均VIは、日経平均ボラティリティ・インデックスの略語です。
日経平均ボラティリティー・インデックス(日経平均VI)は株式会社日本経済新聞社が算出・公表する株価指数で、大阪証券取引所で取引されている日経225オプションの価格等を利用し、日経平均株価が将来1ヵ月でどのくらい変動するかを推定した指数です。
指数値は、ボラティリティーの単位で表現されこの数値が高いほど将来の日経平均株価が大きく変動すると投資家が予想していることになり相場の先行き見通しに不透明感が強いことを意味します。
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